あえて今、オウンドメディアを始める理由

あえて今、オウンドメディアを始める理由

「自尊心高めの人、強気になって何にでもできますと答える人、こういうキャラクターを何と言うのでしたっけ?」

私とAIとの会話履歴にはこんな質問がありました。私のど忘れにもAIはやさしく「ナルシスト」だと教えてくれました。言葉の意味やほかの候補も添えて。少し前であれば「自尊心 強気 性格」などでワード検索していたでしょうか、今では口語でフランクに聞けばAIがすぐに答えてくれます。対話型の生成AIの普及は、「調べる」という体験を大きく変えることとなりました。知りたい答えが瞬時に、しかも要約されたかたちで提示される時代。「SEOコンテンツは効果がなくなるのではないか」という議論が巻き起こるなか、アペルザはオウンドメディアを開始します

今さらなぜ?

過去十数年のデジタルマーケティングは、いかに検索エンジンのアルゴリズムを攻略し、上位表示をねらうかというテクニック論に終始してきました。いかに来訪者を釣り上げるかということが重要視され、ルールをハックし、プラットフォーマーとのいたちごっこが繰り返されてきました。そして今また、ルールは大きく変わろうとしています。情報を切り貼りしただけのコンテンツ、網羅性を極めたフラットなコンテンツの価値は急落しています。従来型のSEO(Search Engine Optimization)は機能しなくなると予想されます。

また最近では新しく、AIによる引用を攻略しようとする「GEO(Generative Engine Optimization)」「LLMO(Large Language Model Optimization)」「AIO(AI Optimization)」という手法が登場しました。もちろん、検索という行動そのものがなくなるわけではないので、これらも短期目線では効果があるでしょう。

しかしAIが意味を理解するようになったことは、AIも独自性ある一次情報、独自性ある新しい理論こそを重要視するということです。それはもはやテクニックで「最適化」できるものではありません。このような時代だからこそ、企業として自らの言葉で発信するメディアの真価が問われると考えました。

辞書から雑誌へ

本来的にコンテンツマーケティングは、顧客に有益な情報を提供し、信頼を築き、第一想起を得るためのものであったはずです。顧客にとっての「いちばん」を目指そうというのに、自分たちが大切にしている「いちばん」を出し惜しみするわけにはいきません。AIには決して生成できない、人間の血がかよった一次情報を提供して、初めて価値のあるコンテンツと言えるでしょう。

それはある種、個性的な主張を抱いた雑誌をつくり上げる感覚に近いものがあります。AIが結論を提示できるからこそ、私たちは「なぜそこに至ったのか」という泥臭い試行錯誤の過程や、失敗の経験を伝える必要があります。単なる用語解説ではなく現場のリアルなできごとに対して、私たちは「どう考えるのか」という自己視点で発信する必要があります。

ただ辞書を引かせるのではなく、雑誌から伝わる熱量こそを価値として届ける。赤裸々に語り、圧倒しなければ、真の信頼は獲得できない時代に突入しているのです。

ともに考えるメディア

私たちが目指すのは、無機質でフラットな教科書的メディアではありません。誰からも嫌われないような無難な発信は、AIが代替できます。不確実性が高く複雑性が増しているこの時代を生き抜くために、必要なのは「正解のない問い」を考え抜く力です。ときには私たちの発信に賛否両論が生まれることもあるでしょう。しかしそれこそが、このメディアの役割だと考えます。

この主張こそ「ナルシスト」そのものかもしれませんが、ここまでお読みいただいた読者の方とともに、今後も充実した思考の場をつくっていきたいと思います。

書いた人

関尾 潤

制作・編集職として事業会社と受託制作会社の双方を経験し、上流の事業立ち上げから下流の執筆・デザインまで一気通貫で対応。アペルザ入社後はマーケティング企画や営業ツール制作を担当。制作者と事業者の両視点を活かしてコンテンツを発信します。

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アペルザの執筆者が日々の業務で経験したことや考えたことを散文的に記録する記事です。

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